時制 2017 11 5

書名 サバイバル英文法
著者 関 正生  NHK出版新書

 私が、日々、英語という言語に接していて思うことは、
英語は、時制に対して厳格な言語であるということです。
 日本語は、時制に対して厳格ではありませんが、
英語は、日本人の私からすると、
コンピューターのプログラミングをしている時のように、
厳格性を要求されると感じてしまいます。
 たとえば、時制について、
インターネットで調べてみると、
井上知氏の「参考書より分かりやすい英文法解説」で、
時制を見てみると、
基本時制(現在形、過去形、未来形)は、
日本語と同じですが、
進行形(現在進行形、過去進行形、未来進行形)や、
現在完了形と現在完了進行形や、
過去完了形と過去完了進行形となると、
明らかに文法が日本語と違います。
 たとえば、日本人が中学校で勉強する現在形と現在進行形でも、
使い方を間違えると、意思疎通に大きな問題が発生するかもしれません。
 よく、デイビッド・セイン氏が指摘していますが、
現在形と現在進行形は、意味の違いがあります。
「I'm working at a bank.」と
「I work at a bank.」では意味が違うものになります。
 現在形は、基本的に日常的な習慣を表します。
それをあえて現在進行形にすると、
現在進行形には、一時的な意味合いがありますので、
「今は、銀行で働いています。
(もう少しでやめるかもしれない)」と意味合いになる可能性があります。
 このように現在形と現在進行形ですら難しいのに、
現在完了形や過去完了形や未来完了形になってくると、
もはや、数学的な理解の世界になると思うかもしれません。
 そこで、「サバイバル英文法」では、
数学的な理解を要求しないで、
文科系のような説明で解説していて、
時制に関しては、最もわかりやすい本となっています。
 最近、英語を話すことができる政治家が増えましたが、
それでも、微妙な意味合いの違いが発生して、
思わぬ誤解が発生する可能性があります。
やはり、専門家である通訳を使う必要があります。
 私は、基本的に翻訳された書物を読んでいますが、
それでも、たまに「これは、あの英単語をこの日本語に変換したのか。
でも、ここでは意味が違う」と思うことがあります。
 経済評論の本だったので、経済学者が翻訳したのでしょうが、
その本には、たとえ話として、文学的な表現を使ったところがあったのです。
 趣味の本ならば、笑いごとで済みますが、
外交で、このようなことが発生したら、大変なことです。































































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